「第2回エリアムーブメント研究会/テーマ:まちとメディア」レポート
第2回エリアムーブメント研究会のテーマは「まちとメディア」。今回のゲストは籾山真人さん。昨年秋に地元立川で立ち上がった「東京ウェッサイ」というラジオ番組の企画運営をはじめとして、メディアを活用したユニークな地域への取り組みを展開しています。
まずは「東京ウェッサイ」の話。これはユニークな活動している人たちの集まる場をつくり、東京の「にしがわ」のまちの魅力をアピールしていくラジオ番組。
「これまで色んな地域でまちづくりや社会貢献活動があるけれど、どのエリアでも似たような取り組み。同じ思いを持った人が一緒にやることで、より素敵に、より新しい活動が生まれる可能性もある。そういった思いを実現する場として、こういった場をつくりました」
活動を開始して3ヶ月ですが、段々と創発的なコミュニケーションが起こる場になってきたそうです。これを入り口として、皆でこの舞台をうまく使って欲しい。ここに集まってくる人たちを増やし、今後はより外部とのコミュニケーションを増やしていくことで、「にしがわ」としての魅力を伝えていきたいと語る籾山さん。小さな活動がつながり、互いに刺激しあうことで、最終的には、「にしがわって面白いね」と言ってもらえるような活動になっていく予感を感じました。
一方、もう一つのユニークな活動としての「立川空想不動産」。これは、立川駅前の商業集積が進み、利用客が増加しているにも関わらず「まち全体に人が流れていない」、「立川にはアイデンティティーと呼べるものが少ない」と言った意識から、単なる来街者ではなく、交流人口を増やすことで活性化できないかという観点から取り組みを始めたもの。
立川駅周辺はもともと買い回り行動が立川の駅で完結しているので、改めて周辺に商業機能をつくっても周辺の再生が難しいのが現状。そこで、周辺に大学が多いことから、対象となる通り(シネマ通り)を、シェアアトリエ、シェアオフィス等を中心とした若い人が活動できる拠点をつくり、滞在する時間を増やし、通り全体の街並みを残しつつ、新しい価値を付加していくということが重要とのこと。
「立川は米軍の基地があったので、当時の情緒を残した物件がたくさんあります。放っておくとマンションになって消えていくのでそれらを上手く活かしたい。いわゆる懐古主義的に建物や街並みを残すのではなく、トータルな雰囲気を残しつつ、使い方を変えることで新しい価値を付加していきたい」
そこが若い人の拠点になるだけではなく、立川としてのビジネス的なインキュベーションの場など、周辺大学の卒業生が立川で働きたいなと思ってもらえるような場所をつくりたいと、籾山さんのテンションはますます上がります。

参加者からの自己紹介を兼ねた意見交換では、「街の価値」や「街のアイデンティティー」とはなにかという議論が出ました。商店街の課題であった空き店舗に入居させることに成功はしたが、街のアイデンティティー形成までに到達しなかったといった、貴重な取り組みの体験談なども飛び出し、まちづくりのゴールとはなんなのかを考えさせられました。
また、「まちづくりはしんどい」、「モチベーションをどのように維持するのか」といった踏み込んだ意見も出され、籾山さんの「立川にはなんでもあるが、立川にしかないものはない」「いずれ立川に戻って住むことを考えた時に、自分が住みたいと思える街にしたい」という立川への思いが語られました。
籾山さんは学生時代から「広域集客力のある街をつくるためにはメディアが介在することが必要である」という研究テーマから、まさに今回のテーマに直接つながる「まちとメディア」に関する研究を積み重ね、
「まちづくりはボランティアであるべきではない」
「まちは計画できない。つくるものではなく使い方を考えるもの」
「メディアが介在することで、まちのイメージを変えることを促進する」
といった言葉からは籾山さんの想いが強く感じられ、大変興味深いお話でした。
会の終了後は、二次会が設けられ、参加者同士の交流がされました。こうした色々な人が出会い、話し合う場があることで、「東京ウェッサイ」のように様々な化学反応が生まれるのではないかと予感させる会となりました。




